ウォーキングコースご紹介 第1弾です。
前回もお話ししたように、この辺りにお住いの方には目新しいコースではありませんが、心地よく歩けるコースです。歩いてみて私にもちょっとした発見はありましたから、是非何かを探しながら歩いてみて下さい。

スタートは、当クリニックの前、晴月橋です。
文字通り、晴海と月島を結ぶ橋です。
目の前の運河は朝潮運河と言いますが、対岸一帯は月島です。

今回は橋を渡らず、運河を右手に見て進みます。


左手一帯は晴海アイランド トリトンスクエアです。
2001年に、晴海団地の老朽化に伴う再開発で誕生した、「住・遊・職」の複合をコンセプトに造られたエリアです。
六本木ヒルズに先駆けること2年、複合施設の元祖とも言える場所です。

当時は「料理の鉄人」シェフの有名店も入ったりして、東京でも話題のスポットになりましたが、今はコンセプト通り、住んでいる人や勤めに来ている人が集う施設になっています。

しばらく進むと、朝潮運河から別の運河(月島川)が分岐する地点がありますが、その先に歩行者専用の橋が架かっています。桜小橋といいます。

晴月橋
晴海トリトンスクエア

2017年10月に開通した新しい橋です。今回はこの橋を渡って朝潮運河対岸に向かいます。先ほど「朝潮運河対岸一帯は月島」と述べましたが、桜小橋を渡った先の住所は勝どきです。月島川を境に住所表記が変わります。
朝夕、大江戸線勝どき駅からトリトンのオフィスに通勤している人たちで、晴海通りの歩道は大混雑です。その緩和と、災害時の避難路の確保を目的に開通したのですが、今でも朝の晴海通り歩道は混雑しています。

桜小橋

橋を渡ったら、遊歩道的な感じの一般道路を直進します。突き当りが清澄通り。左に折れたところに、大江戸線勝どき駅があります。大江戸線も2020年で開業20年を迎えました。20年前の景色が思い出せないのですが、大江戸線開業がこの辺りの風景を大きく変えたことは間違いないでしょう。
清澄通りと晴海通りが交差するここで、清澄通りの反対側に渡っておきます。そしてそのまま清澄通りを進みましょう。

勝どき駅前の交差点

ほどなく、小さな橋に差し掛かります。新月島川(運河)に架かる橋で、手前にはパン屋さんの入ったレトロな雰囲気の建物があります。先に見える高架橋は新しくできた環状2号線(マッカーサー通り)につながる道で、新旧市場を結びます。

ここで右に曲がり、しばらく真っすぐ突き当りまで進みましょう。マンションの左側にオープンスペースがあり、そこから階段で堤防の上に上がると、眼下に隅田川が広がります。左手に見える橋が築地大橋、右手に見えるのが勝鬨橋、正面対岸が築地市場跡地です。

市場跡は現在(2021年始)更地になっていて、その先の朝日新聞本社や国立がんセンター中央病院、汐留のビル群などが遮られることなく見えています。今だけの風景です。

堤防を下りると遊歩道が整備されています。柵に近づいてみると意外なほど水面が近く、川に浮かんでいるような感じすらして、なかなか趣があります。ここからしばらく、この遊歩道を歩いて行きましょう。

勝鬨橋

これから4つの橋をくぐりますが、最初は勝鬨橋です。
勝鬨橋は晴海通りを乗せた橋で、珍しい中央が上方に開く可動橋(跳開橋)です。1940年に開通し、国の重要文化財に指定されています。隅田川を通る船舶の減少や晴海通りの交通量の多さから、1970年を最後に開閉は行われておらず、今では電力の供給もされていないそうです。下から見上げると、重厚感のある橋脚の石組みや鉄骨の骨組みが力強く伝わってきます。

月島川水門

勝鬨橋をくぐるとすぐにスロープがあります。

桜小橋の手前で朝潮運河から分岐した月島川がここで隅田川に合流しますが、その月島川を跨ぐためのものです。2020年10月まで、遊歩道はここでいったん途切れていましたが、この橋が架けられたおかげで渡れるようになりました。

この合流部には月島川水門があり、月島地区を水害から守る働きをしています。

スロープを下って、次に目指す橋は佃大橋です。月島と対岸の湊(町)を結びます。江戸期から続く「佃の渡し」の位置に架けられました。
佃の渡しは落語「佃島」にも登場しますが、佃大橋の完成とともに歴史の幕を閉じました。この橋の工事の時に佃川が埋め立てられ、佃島は月島と地続きとなり、島ではなくなりました。

佃大橋はデザイン性が皆無で塔がないので、その先の中央大橋の主塔が遮られることなく見えています。

さらにその先には東京スカイツリーも見えてきます。
歩を進めていくと、中央大橋の主塔とスカイツリーが段々近づいていき、そしてある場所で二つがピッタリ重なります。是非探してみて下さい。

隅田川が少しだけ左に折れる辺りで、対岸の高級料亭が目安です。

スカイツリーは進行方向やや左側の延長線上にありますが、隅田川の流れの向きと中央大橋の角度が作り出す現象だと思います。

ここで、いったん休憩としましょう。